徒然なるままに坂口友英|元イタリアンシェフの挑戦!

坂口友英の毎日の挑戦!と意気込んでおりましたが、ゆるーりとした生活を思うままに書き綴ります。元シェフらしく、毎日の料理や食事などが多いです。

元料理人の“美味しい”オムレツの作り方

おはようございます。坂口友英です。

久しぶりに気が向いたので厨房……いやいや我が家の台所に立ってみる(笑)

なにぶん狭い我が家ゆえ、台所も当然こじんまりとしている。とても「厨房」などという表現は使えまい。

 

何か吹っ切れたような、少し気分が軽い。いや、むしろ焦っているだけなのか。料理を辞めてから結構な時が過ぎてしまった。

体が「何か」を求めているのだろうか。元料理人の血が騒ぐのかもしれない。ただ、腹の虫が騒いでいるだけかもしれない。

 

じゃ、昔取った何とやらで、オムレツでも巻いてみますか。

手をパチンと叩いて独り言ちてみた。 冷蔵庫からたまごを三つ取り出す。ボウルがないので、ドンブリでいいや。

 

コンコン、コンコン。

素人さんはたまごをドンブリの角っこで割ったりするが、プロはやらない。

 

角で割るということは殻の破片が入ってしまったり、殻の表面に付着している雑菌が混じったりする可能性があるからだ。

だからプロはやらない。が、現役時代先輩によく怒られたっけか……。

塩コショウをササっと施し、軽くミルクを投入。

菜箸でカシャカシャカシャ。

泡だて器で丁寧に混ぜるべきという意見がある。一方で白身の弾力を活かすため菜箸でほぐす程度にすると言う人もいる。

ぼくは後者だ。理由なんかない。

昔の職場の先輩がそう指導したからだ。文句があったらその先輩に言ってくれ(言えるもんならな)。

フライパンにバターと油。レンジのスイッチをガチャリ。

チチチチ、シュポッと炎が上がる。ん~、バターの甘くて芳ばしい香りがお腹の虫を活気づかせてくれるよ。

頃合いを見計らってフライパンにたまごを流し込む。さ、ここからは時間との勝負。

すぐさま菜箸を突っ込んで固まらないようにかき混ぜる。鼻孔をくすぐる芳ばしい香りを楽しみながら、徐々に形を整えていく。

菜箸でたまごをラグビーボールの形に寄せていくと、左拳でフライパンの持ち手をトントントン。

すこし力を加えたら、フライパンの中で「ラグビーボール」がクルリと一回転。

もう一度回転させて表面に焼き色を付ければ、完成だ。

皿に盛るとケチャップをたら~り。

店の厨房なら何種類かのソースがあったけど、自宅の台所じゃ贅沢は言ってられん。 では、いただきます!

プロとして仕事で料理をしていると、自宅で自分や家族のために何か作ってやろうとは思わなくなっていた。自分の性格的な問題だろうか、決して充実しているわけではない材料と調理器具で料理を作ることが嫌だったのだのかもしれない。

よく言えば「完璧主義者」なのだろう。

なら、悪く言えば……

 

ま、ヨシとしよう。せっかくのオムレツが冷めちまう。