秋は大好きであり、嫌いな季節でもある。
こんにちは、坂口友英です。
秋は大好きな季節でありながら嫌いな季節でもある。
肌寒くなってきた今日この頃。一歩外に出ると感じる秋の気配にものおもいにふけってしまう。
え?どうして秋が大好きで嫌いなのかって?知りたいのなら話して差し上げよう。よかったらぼくの秋の話しを聞いていてね。
最初にぼくが秋が好きだなぁと感じたのは幼い頃のことだった。家の庭には大きな木が植えてあった。なんの木の種類かは忘れてしまったが、それはそれは大きな木だった。
秋になると紅葉が楽しめて、時期がくると葉っぱが枯れ落ちた。
そんな初夏には緑が生い茂った木から、秋の葉が枯れ落ちるまでを目の当たりにして、幼いながらに季節の移り変わりを体感していたのだ。
子どもだったけど感受性は豊かだったのかもしれない。
それで、葉っぱが全部枯れ落ちたら、落ち葉を集めて、それに火をつけて焚き火をした。今となってはそんなことをしたら近隣住民に迷惑がかかってできないかもしれないけれど、まあ、田舎だったしいいのかな。
当時は目一杯落ち葉を燃やして、暖をとりながら炎を見つめていた。
段々と煙が目にしみて、落ち葉の焼け焦げたにおいにも耐えられなくなって、そうなったらすぐに火を消してしまっていたけれど、今考えてみると、炎を見つめているだけで、とっても心が穏やかになって、身体も心も暖かくなっていたなぁ。なーんて思ったり思わなかったり。
それが秋のいい思い出です。
なんていうことのない思い出でしょう?だけどぼくにとっては大切な宝物のような思い出です。
あ、ところで。
秋が好きな理由は書いたけれど、嫌いな理由も説明しなくちゃね。
まあ、それは、単純な理由ですよ。
ぼくは、決まって秋にフラれていたんですよ。悲しいことに。だから、秋になると嫌でも今までお付き合いしていた人のことが頭に浮かぶんです。
え?気持ち悪いって?いいですよ、分かってますから。何とでも言って下さい。
でも不思議なんだよなぁ。
何で決まって秋にフラれるんだろう。秋といえば人肌恋しくなってくる季節なんじゃあないの?ぼくの体温じゃ暑苦しくて嫌だっていうの?
そんな風に思ったら悲しくなってきました。考えるのはよそう。
そんなこんなで、まあ、秋という季節は好きです。そして、特別な季節です。
大きな木を見ると幼い頃の庭にあったあの木のことや、焚き火したときの焼けるにおいや音なんかを思い出して、ちょっぴり泣きそうになります。
ああ、今頃、あの娘たちはどうしているのだろう。ぼくは元気でやっていますよ。お別れを告げたあの娘たちがみんな元気で生活していてくれたら、ぼくも幸せだ。