徒然なるままに坂口友英|元イタリアンシェフの挑戦!

坂口友英の毎日の挑戦!と意気込んでおりましたが、ゆるーりとした生活を思うままに書き綴ります。元シェフらしく、毎日の料理や食事などが多いです。

雪を見て思うこと、感じること諸々

こんばんは、坂口友英です。

ここのところ連日、テレビで雪のニュースが取り上げられている。
同じ日本なのにも関わらず、北と南では冬の景色が全く違うのだ。毎年のことではあるけれど、これを見るとぼくはいつも不思議な気持ちになる。

都会は雪に弱いとよく言う。電車や交通機関はすぐストップするし、自動車も誰も冬用タイヤになんて変えていないから、まともに走れず渋滞で道路は埋まる。

会社に出られない人が相次ぎ、人がいないと仕事が回らず各種の営業やサービスが止まる。

ちょっと多めの雪が積もるだけで、その損害は計り知れないことになる。
また、歩く人も慣れていないからよく転ぶ。ニュース映像でよく使われているけれど、大怪我に結びつくことだってある。笑い事ではない。

その点、雪国に住む人たちはたくましい。凍えるほどの寒い中で雪かき、雪下ろし。

お年寄りであっても毎日のように行う。

さらに道も、家も、人も、寒くなる前から雪に備え、どんと来いと待ち構える。
対策をするだけでなく、雪を利用する雪中野菜なんていうのもある。

その名の通り、雪の中に野菜を埋めてしまうのだ。雪の中に埋められた野菜たちは、寒さから身を守るために糖度を増す。食べるとそれはそれは甘く、しっとりとして柔らかい。

調理だけでは出せない深みと優しさがそこに生まれる。雪の国で育った人々のたくましさと知恵の賜物である。

わずかの距離なのにここまで違う。日本という狭い島国で、たまたま生まれた場所がそこであっただけで。

たまたま東北、たまたま東京、たまたま九州。生まれる場所を自分で選べる人などいない。

ぼくの友人に、毎年冬になると奥さんを連れて沖縄へ旅立つ男がいる。旅立つといっても、一週間ほどであるが。
寒いのがとことん苦手な彼は、将来的に永住も視野に入れているそうだ。

彼が生まれる場所を決められたなら、沖縄にしたに違いない。

彼のように考える人もいれば、一生同じところに住む人だっている。

それこそ沖縄の石垣島宮古島に生まれてずっと島から出ない人だって大勢いるはずだ。
同じ日本とはいえ、沖縄は似て非なるものである。やはり食の違いが大きい。

沖縄を代表する食べ物といえばゴーヤだろう。そして海ぶどう、豚足、豆腐ように島らっきょう。

ヤギも刺身や汁にして食べる。ゴーヤこそ今では広く流通しているが、その他馴染みのない食べ物はいくつもある。

生まれた場所が人を変え、食を変え、育てる。それを偶然ととるか、運命と捉えるかはそれぞれなのだ。

......といったことを、毎年雪を見るたびにぼーっと思う。飛躍しすぎなことは言わずもがな。