持ち寄りパーティーのメニュー考案
こんにちは、坂口友英です。
久々に料理を振る舞うチャンス到来だ。
持ち寄りパーティーだからといわれた時には「何故ぼくに料理を任せない!」と腹が立ったものの、まあ持ち寄る料理の数は制限されてないので良しとする。友人が本当はなんの目的のつもりで集まるのか、それが女性目的だとしてもヤツなりに、ぼくに料理を振る舞う機会を作ってくれたのは事実である。感謝しよう。
持ち寄りパーティーだとフランクなイメージで女性が気を許してくれやすいそうだ。
ヤツは意中の相手を落とすのが目的、ぼくは全員のほっぺたを落とすのが目的だ。
さて初見の人に料理を振る舞うのは久々すぎて作りたい物が多すぎる。
持ち寄りなら人と被らないもので冷めても良いものだろうが最近の流行りを入れるのももちろんである。
言わずもがなインスタ映えであろう。ぼくはインスタは見る専だが料理の写真はこまめにリサーチしているのだ。
最近気に入った画像は、出来立ての空気感まで伝わってくるようなナッツの浮かんだポタージュスープだったが、いかんせん今回は持ち寄りパーティーだ。出来立てと汁物の難関が越えられない。
まさかぼくが真似をしたものを作るわけにも行かないだろう。そこは元シェフとしての意地があるのである。
デザートなら被らないか。インスタブームから近ごろまたババロアが流行っているのだ。
切り分ける前のひとつに繋がった艶々の円形はピンクやきいろの色に仕上げて生クリームやベリー系でトッピングすればインスタ映え間違いないはずだ。しかも昔作った事もあるので自信もある。
がしかし、いかんせん持ち寄りパーティーだ。ババロアとトッピングを持って完璧な状態で持ち運ぶ自信がない。
ヤツはなぜ持ち寄りパーティーにするのだ。全部任せてくれればこんなに悩まないのに。
ヤツは唐揚げを作るらしく、ヤツの意中の相手は卵焼きを作るらしい。ピクニックか。
それでは絶対に盛り上がらないのだ。ここは、ぼくが料理で空気を和ませてヤツの恋路を盛り上げないといけないのである。
恋を盛り上げるためにはスパイシーな料理も良いかもしれない。
ハッシュタグでスパイシーはやたら見かける言葉だ。
発汗作用が強すぎて女性がメイクが崩れる事を気にするだろうか。初見の女性にそんな思いをさせる料理を持っていく訳には行かないだろう。相手を思うメニュー考案こそがシェフにとって一番大事な事なのだ。
どんな女性が集まるのだろう。まだまだリサーチが足りないのだ。
改めてヤツからリサーチをした上でのメニュー考案が必要である。
落としたい女性を満足させようと店に来る男性を満足させるのがシェフの仕事だ。早速ヤツとミーティングだ。